ダイジェスト版 バイオインフォマティクス
現在の生物の多様性・複雑性は、単一の共通祖先に端を発する進化の歴史の中で形成されてきた。
https://en.wikipedia.org/wiki/
生物の性質が、世代を経るにつれて変化すること。
↓ ちょっとアバウトすぎる
親から子へと受け継がれる情報が変化し、その変化がやがて集団中に広まっていくこと。
↓ もう少し学術的にいうと
親から子へ遺伝する情報に変異が生じ、集団中における頻度が変化すること。
キリンの例: (こんなに単純ではないだろうけど)
決して高いところの葉を食べようとして首を長くしたわけではない。
https://theory.labster.com/
生物の持つ膨大な情報(主に遺伝情報)を、コンピュータの力を借りて扱う学問。
本日は野良データ + Python + Linuxで、バイオインフォマティクスの一部を体感。
野良データを使って、バイオインフォマティクスの解析の一部を体験してもらう。
ペットとしてお馴染みのイヌ( Canis lupus familiaris )と、オーストラリアに生息するイヌの近縁種であるディンゴ( Canis lupus dingo )のゲノムを、重複遺伝子の観点から比較する。
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もともと1つだった遺伝子が、さまざまな要因(組換えのミス、トランスポゾンの転移、etc.)で2つ以上になること。
AMY1A
, AMY1B
, AMY1C
, AMY2A
, AMY2B
左: αアミラーゼ 右: βアミラーゼ
これまでの話と絡めると、多様な食事を摂る環境ではアミラーゼ遺伝子の重複が有利に働いたと言える。
では、長く人間のペットとして生きてきたイヌと、野生に暮らすディンゴでは、どちらの方がアミラーゼ遺伝子を多く持つだろう?
重複遺伝子どうしはもともとは1つの遺伝子(=同じ配列)なので、互いに似た配列を持つ。そこで、
homebrewのインストール:
blastのインストール:
今回使うリポジトリを取ってくる:
minicong
に移動
イヌとディンゴの配列を取得
blastp
を実行 (1行ずつやってみてもいいよ)
結果を確認してみる。
ヒトと共に生活し始めたことで雑食性に変化したこととの関与が示唆されている。
See also > イヌの多様化における遺伝的背景(かずさDNA研究所)
ゲノムを読む技術の発達に伴い、日々多くの種のゲノムが解読されている。バイオインフォマティクスは、蓄積されつつある大規模な情報を扱い多様な生命現象を解き明かす強力なツールである。